2018春期講習会「ファンになってもらう」

こんにちは。
高1生・高2生科の講師の村です。

今回は2018春期講習会での高校1〜2年生の実技の様子についてご紹介します。この記事の最後には、優秀作品もたくさん載せようと思っています。

今年の春期講習会の講座は、静物デッサンと構成デッサンの両方が経験できる課題内容でした。静物デッサンは、なるべく規模の大きなモチーフで、モチーフの組まれ方も少々複雑です。こだわりを持って細部まで描き込めそうなものをご用意しました。構成デッサンでは、スタンダードな手のデッサンや自画像デッサンを経験しました。

静物デッサンをやっていたときのこと、先生が一人の生徒にこのようにアドバイスしているのが聞こえてきました。「一緒に描いている友達に『こんなに絵が素敵になるんだったら私もこの場所で描きたかったな』と思わせるように描きなさい。」この言葉にはけっこう大事な意味があると思います。

静物デッサンは、どちらかというと生徒たちが「受け身」になりがちな課題です。受け身というのは、自分から積極的に行動を起こしたり発想したりするのではなくて、言われた通りに動いたりなんとなくやっていたりする状態のこと。モチーフは先生が勝手に用意したものだし、自分で描きたいと思って選んだわけじゃないし、この場所しか描く場所がなかったし、、、自分の思い通りにならないことが多いので、乗り気にならないこともあるかもしれませんね。

横浜美術学院_授業風景
横浜美術学院_授業風景

ただ目の前のものを描き写すだけという単純作業をやるのは誰だって苦痛です。ですが、誰か自分の大切な人に向けて、自分がよかったと感じたものを「こんなところが良かったよ〜」と紹介するようなつもりで描くとしたらどうでしょうか?例えばあなたがグルメ番組の食レポをする立場になったとして、視聴者に自分の感じた味を伝えるとしたら?

まず少しでも対象を理解しようとするはずです。特徴を探そうとするはずです。そうでないと伝えようがありません。「このラーメンは美味くも不味くもありません。以上です。」なんていうレポーターいませんよね(笑)まずは取材をしてネタをかき集める。これが観察です。そしてどう伝えるかを考える。それが表現です。

「このラーメンのファンを一人でも多く作ろう」というつもりでやってみてください。そうするといずれ「あなたというレポーターのファン」が現れますよ。

この後は新学期!2018年度の授業がスタートしています。またそちらの授業の様子もどんどんご紹介していきますので、お楽しみに!
さいごに、春期講習会の優秀作品9点を一気にどうぞ!↓↓↓
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出題「私物を持った手を描きなさい」
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