デッサン力の素:ライバルは自分を成長させてくれる

B!

 

こんにちは。
高1生・高2生科の講師の村です。

 

2学期がスタートしました。新たな仲間が増え、アトリエの中にはいつの間にか多くの人が集まっています。鉛筆で描く音が「シャッ!シャッ!」と響き渡っていて、いい感じの緊張感が全体に漂っています。嬉しい限りです。ただ、もしかしたら嬉しいのは先生だけかもしれません。当の本人たちは、ライバルが増えたことを良く思っていないのかも。。。ただでさえ難関の美大です。敵は少ないほうがいい。うーむ、一理あります(笑)

 

 

僕はライバルの存在を「自分を成長させてくれる人」と捉えるといいんじゃないかと思っています。考えてみてください。自分の部屋で、一人きりで、独学で絵の勉強をしていたとしたら。周りに人がいなくて自分の絵を自分で判断しなければいけないとしたら。結構心細いですよね。良いのか悪いのかもいまいち良くわからず、暗闇の中を手探りで進んでいくような、とても不安な気持ちになりそうです。

 

ちょっと話は逸れますが、hamabiでは入試の合否発表が出た後、「おめでとう」と「お疲れ様」の意味を込めて受験生が集まる会があるんですね。受験から解放された生徒たちが受験時代を振り返ってあれこれ話しているのを聞いたりします。そこでは、入学してきた頃の話や、高1生・高2生の時代の話もよく出ます。その中の一人が、「入学時はどう描けば良いかわからなかったけど、すでに始めているクラスメイトをみて、これじゃダメだということだけは分かった。何かしなきゃ勝てないぞ、ということは下手なりに分かった。」と言っていました。またある人は、「卒業生が残してくれた優秀作品の横に、ひっそりと自分の作品を置いて比べることがよくあった。当然、卒業生は上手すぎるからガックリきちゃうんだけど、すこし冷静になって自分の絵とどこが違うのかを分析してみた。そうしたら、どうやら私の絵は色が薄かった。自分は3Bまでしか持っていなかったけど、7Bまで揃えてみた。そうしたら、黒く描けるようになって先生に良いねって言われることも増えた。」と言っていました。

 

 

まあ黒くなったから絵が上手くなったかどうかは別として、ここで大事なのは比較すること。比較ができれば絵をどうすれば良いのかが自分なりにでも判断できるのです。そして予備校はその比較ができる環境だということです。予備校には県内の高校から絵の上手い人が集まってくる場所です。だから上手い人がいたら徹底的に利用したほうがよい、というのが僕の意見です。仲良くみんなで合格しようね〜!というようにクラスメイトと付き合うのもありだけど、僕はどちらかというと程よい距離感でお互いに刺激し合いながら切磋琢磨しているほうが心地良いのでそう考えています。

 

今も生徒たちによく言うのは「自分の制作にだけ没頭するんじゃなくて、隣の人の絵をよく見なさい。後ろから堂々と覗きなさい。いろいろな人の絵を見せてもらって、アイツは上手いぞという人を見つけなさい。」ということ。ただ描くだけでは家で描いているのと同じですからね。もったいないです。皆さんもライバルを上手く使って自分を高めてみてください。

 

 

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