シンプルに捉える!「牛骨のある静物デッサン」

こんにちは!講師の吉川です。
夏も近づき、蒸し暑くなってきましたね。体調を崩さないように気をつけたいところです。みなさんもくれぐれもお気をつけください。

美術クラブは前回に続き、鉛筆デッサンを行いました。木炭紙大にサイズアップです!大きい作品の時は、身体も大きく使っていく必要があります。目が画面に近くなると、全体を感じづらくなってしまうので、シャキッと背筋のばし、画面に腕をのばすように描く姿勢を意識して進めてみましょう◎

Still life drawing
モチーフ:牛骨、石膏でできた四角錐、りんご、ワイン瓶、グレーの布。

今回のモチーフは、お馴染みの牛骨です。構造の複雑さが目を引きますね。どんどん手を入れて見応えを作っていきたいところです。しかし、闇雲に描くだけではいけません。これをいかに冷静に、「四角」として捉えることが出来るか?が大きなポイントになってきます。

「幾何形体」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?正方形、球体、円柱、円錐…など、基本的な形のことです。構造がシンプルなので、光と陰の仕組みの基礎を学ぶことができます。

複雑な形は、その複雑さに初めから取り掛かると、まとまりをつけるのが大変です。牛骨は一見、幾何形体とは似ても似つかない形をしていますが、「あえて幾何形体のよう(シンプル)に形を捉える」ことをしてみてほしいんです。牛骨の場合は、直方体ですね。これはりんごや、ワイン瓶も同じです。りんごは球体(円柱)、ワイン瓶は円柱です。

Still life drawing
そうやって大ざっぱに形を捉えることが、その物らしい量感を作り出すことに繋がります。小さい単位を細かく繋げていっても、それは難しいんですね。大きく捉えることと、細かく観察することの両立が求められます

今回は2点ピックアップしてご紹介します◎

Still life drawing

中学3年生の作品です。一目見て良く描いている作品だとわかりますね。力作です!それぞれの固有色や質感が魅了的に表現されています。なにより、牛骨の細かな面を丁寧に汲み取っていて、手で触って形を確かめることができるような説得力があります。量感という観点でみると、奥のワイン瓶がまだ平面的なのが惜しい!

Still life drawing

こちらも中学3年生の作品です。この絵は、それぞれのモチーフが持つ、抱えられそうな量感が素晴らしいですね。もう一つ注目すべきは、鉛筆っぽさをあまり感じないという点です。きちんとその質になりきるまで描ききっている証拠です。りんごはもう一歩、情報量が増えてくるといいですね◎

他のみんなも量感を意識して、じっくり描きあげてくれました!

Still life drawing
牛骨の形の変化は複雑…。どこを観察すればいいのか、アドバイスをもらいます。
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全体像がぼんやりと見えてきました。「ざっくりと捉える」ができています。
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モチーフを背後から描いています。光と影を描くことが欠かせないアングルですね。
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徐々に完成度が上がってきました。床に敷いてある布にもしっかりと描写をします。
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徹底的に細部まで描いていきます。教室に鉛筆の音がシャッ!シャッ!と響きます。
Still life drawing
平日クラスの講評会。クオリティーの高い作品がたくさん揃いました!
Still life drawing
土曜日クラスの講評会。作品に対するコメントをみんな真剣に聞いていました。

今年度もここから、絵の具や粘土など、様々な課題に挑戦してもらいます。引き続き楽しんで、経験を重ねていきましょう〜!💪

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