2018年度のしめくくり!「自由制作」

こんにちは!美術クラブ講師の吉川です。
すっかり暖かくなりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
美術クラブは新たな仲間も迎え、新年度をスタートしています。

今回のブログでは、昨年度最後の課題「自由制作」をご紹介します。

自由制作は、画材から作品形態まですべて自由なので、作者がその作品の端から端まで責任を持って決めていきます!入学したての人もいたので、急に自由といわれて難しい点もあったかと思いますが、講師と相談をしつつ、制作を進めました◎

早速、数点の作品をピックアップしてご紹介します!

Coloring

アクリル絵の具による鷲です。クローズアップした構成の、迫力あるかっこいい作品です。顔の作りや羽の柔らかさなど、とても細かな神経を使って描いています。透明色を生かし何層もうすく積み重ねてできた色彩と、厚みのある絵具がうまく使い分けられていて、見応えのある一枚に仕上がりました。

Coloring

アクリルガッシュ(不透明絵具)を使い、色面分割でオリジナルキャラクターを表現しています。世界観の魅力はもちろんですが、微妙な色の違いを利用している点も工夫が生きていますね◎作品が複数点ある場合は、展示の仕方によって見え方が変わりますが、左右対称を少しずらすなど、ここにもこだわりを感じます。

dessin

鉛筆デッサンによる連作です。消しゴムの袋とクロッキー帳という変哲も無いモチーフですが、「表情」といえテーマを踏まえ、対象のシワやよれの「表情」を美しく豊かに捉えています。「なんてことないものを、いかに表現するか」という工夫が、鑑賞させるリアリティを生み出しています。

dessin

昨年の構成デッサン課題でも、お皿の鉛筆デッサンを描いた作者の作品です。今回はお皿上のモチーフを変え、連作のような位置付けで制作しました。作者は冬の間に美術系高校の受験対策を経て、隙間や影の美しさ、複雑さが一段と丁寧に描けるようになっているのを感じます。

立体作品

本型の箱を利用した、こだわりのボックスアートです。さまざまな素材を用いて細かく作り込んでいて、どこから観ても楽しめる作品になっています。必要な素材を自ら探し、構築していく楽しさが伝わります。不思議な構造が、見る人の想像力をかきたてますね。

oil painting

初の油絵に挑戦です!乾きも遅く、普段使う水彩絵具との違いに扱いづらさもあったとは思うのですが、グレーの色ひとつ取っても様々な色を用いて作られていて、工夫が伝わります。簡単に済まさず、何度も重ねた絵の具が重厚な質感を作り出し、絵に見応えを与えています。

Self-portrait

写真では伝わりづらいかと思うのですが、人物の顔半分にくしゃくしゃにしたトレーシングペーパーが貼ってあり、その上から描いています。偶然できる表情を生かす設定が面白いですね。また、その他の部分がしっかり描かれていることが、作品の完成度をあげています。

自由制作は毎年、年度の最終課題として行なっているのですが、
1年間培った経験が、制作進行のヒントになったのでしょうか?

illustration

ペンと滲んだ絵具の表情が爽やかなイラストレーション

illustration

ミリペンを使ってどこまでも細かく!

Production scenery

どこまで細かくそっくりに描写できるか、というチャレンジですね!

Production scenery

油彩に挑戦!ざらりとした油絵の具らしい絵肌がおもしろいですね。

Production scenery

立体の制作には計画性が欠かせません。準備も万端で、手際も良かったですよ!

Production scenery

布とリボンで衣服の制作。小さなトルソに布をあて、綺麗なフォルムを目指します。

Production scenery

大きな画面で大胆な構成の絵に挑戦。絵具を思いっきり使っていますね〜👍

Production scenery

講評会がとても面白かった!みんないろんな作品を作っていて刺激をもらいました。

Production scenery

作品の作り方や、鑑賞の仕方は人によって様々。どんな風に相手に伝わったのかを確認します。

世の作家たちは、誰かに課題を与えられて制作をしているわけではありません。では何が制作のきっかけになるかというと、作者自身の好奇心ではないかと思います。美術クラブの授業だけでなく、皆さんは日頃、多くのものに触れて生活をしています。それは自然の現象であったり、誰か作品であったり、はたまた喜怒哀楽のような感情であったり。形は様々だと思いますが、数あるその中から、自分のアンテナに引っかかるものを、ぜひ大切にしてください。自由制作が、それを引き出す機会になれば幸いです。

それでは、1年間お疲れ様でした!
すでに始まっている新年度も、楽しんでいきましょう!

おすすめの記事