デザイン工芸コースでは、夏期講習会の実技講座の特別イベントとして、hamabiから難関美大のデザイン科・工芸科へ進学を果たしたOB・OGを招いてのアトリエ・トークが開かれました。先輩たちの進路の決め方、受験時代の苦労話、壁を突破したきっかけなど、美大受験に役立つ情報が沢山ありました。さらにモチベーションアップにも繋がったようです。その内容をご紹介します。

トークに参加してくれた先輩たち

新しい環境で出会った、
自分とは全く違う人の存在。

 

Q. 大学に入学してみて、何かびっくりしたことはありましたか?

阿部
「私にとって刺激的だったのは武蔵美のサークルでの経験です。武蔵美のサークルは結構ゆるいところが多いって聞くんですけど、私が所属してた劇団ムサビは結構本気で。視覚伝達デザイン(視デ)とは全く関係ない舞台美術の世界に入ってしまったんです。なので授業では学ぶことのできない、例えばすごい大きいノコギリだとか電ノコだとかインパクトドライバーとか、普段絶対に触れないものに触ることができたりして。巨大な物を自分たちで作るっていう機会を得ることができました。授業とは全然関係ないサークルなんですけど、その中で得た知識だとか経験はすごい貴重だと思っています。劇団ムサビは空間系の活動が主なので、空間演出デザイン(空デ)の子が多いんですよ。なので空デの人の話がたくさん耳に入ってきます。そうすると、視デの考えてることと空デの考えてることが全く違うってことがわかって、こういう風に考えてる人もいるんだなあって思いました。」

大竹
「私は芸大の上野キャンパスに通っているんですが、校舎の道路挟んで向かいが音楽校舎で、音大に行っている人とよく会うんですけど、まるで人種が違って結構びっくりしますね。でも話してみると意外と話せたりとかして、それでグループを組んで発表してる人とかもいるので、そういう面で音楽系の人との関わりが持てるのには驚きました。」
山本 「私はもともとすごい機械音痴だったんですけど、ようやく春にMacを買ってなんとかやっていけるようになりました。多摩美のプロダクトにいると3Dプリンターとかレーザーカッターとか、そういう機材がもう『使えて当たり前!』みたいな感じで。だから今そんな世界に自分がいるのがちょっとびっくりです。」

受験期の私を支えてくれたもの。

Q. 受験生時代のことで記憶に残ってるエピソードや、後輩たちへのアドバイスがあったら教えてください。

 

則常
「私は本当に受験生時代がすごい楽しくて、真剣に美術が好きな人たちがいる空間で絵に向き合えて、三輪車がモチーフだった課題のときも、みんなは嫌だ嫌だって苦しんでいたけど、私は全然嫌じゃなくて(笑)。先生も一緒にやっていた仲間たちも大好きで、今でも一緒に遊びに行ったりしているくらいなんです。」

阿部
「夏期講習会の始まる直前と終わった後にコンクールがありますよね?その最初と終わりのコンクールを経験した後、何も成長していないじゃないかなっていう気持ちに取り憑かれたんですね。それから気分が落ち込んじゃって、スランプに陥ってしまったんです。授業も面倒臭いなと思いながら、駄目だ全然成長しなかった今回も…って。それで、一週間くらい仮病を使ってサボってしまいました(笑)。ちゃんとそのあと復帰したんですけどね。サボってた期間は、受験勉強があるから見に行かないって決めていた映画に思い切って行っちゃったりだとか、受験だからやらないって決めてたゲームをやったりだとか、好きな小説買って読んでみたりだとかして心をリフレッシュさせる期間にしたんですね。私はそれで少しバランスを取り戻せたような気がします。だから、あんまりサボるのは良く無いないかもしれないんですけど、本当に行き詰まった時はそのままの状態だと本当に良くないことばかり起こるので、思い切ってちょっと心の余裕を持てる時間を作った方が良いと思います。特に夏期講習会の最中はすごい忙しいと思うので、自分のモチベーション維持にもちょっと目を向けてあげて下さい。」

大竹
「私は芸大に行きたくて1年浪人してたんですけど、現役の頃は焦ってたんで『もう受験!?』っていうくらいあっという間に時間が過ぎちゃった感じだったんですけど、浪人してから迎えた夏期講習会は『長すぎる〜〜!』って思いました。だから、毎日4時にコンビニにおやつ買いに行くのが楽しみでした(笑)。良い評価がもらえる作品を作るまでおやつは買えないっていう謎のルールを作りながら受験生活を乗り切ってました(笑)。自分でメリハリを付けようとしないと、だらだらと時間が過ぎていってしまうので、自分なりのルールがあると良いかなと思います。」

山本
「この中に通信教育コースだった人っていますか?私は通い出したのが遅くて2年生の12月から通い始めて、その後ずっとバレー部だったんですけど、部活と両立するために、3年生になってからは2ヶ月と ちょっとくらい通信教育コースで勉強していました。夏期講習会の直前にようやくみんなと混ざってやりだしたんですけど、もう間に合わないと思って…。講習会は浪人生と一緒になってやると思うんですが、私の代ってすごい濃い〜先輩たちがいて、その先輩たちにたくさん教わりました。授業後に先輩たちが講師室に入って行って実技のことを色々相談しているのを見て『あ、マネしよう』って。私もいっぱい個別に相談にのってもらいました(笑)入試直前は混みますからお早めに!」

市川
「予備校で仲良くなった友達がすごい今の財産になってます。つい最近も集まって遊んだんですよ。みんな美大生だから、一般大学の子とは話さないようなことを喋れて楽しいです。高3の夏もその仲間たちと楽しく過ごせて、それが本当に受験期の支えになっていました。皆さんも今の友達を大事にして、お互いちゃんと頑張ろうねって励ましあっていけたらいいと思います。」

志賀
「デザイン工芸コースの講評会って作品のレベルによって上段下段に分かれますよね。私は月に1回くらいは上段に入れるレベルだったんです。でも第一志望は多摩美のグラフィックだったので、倍率の高い学科だし、これじゃ合格点に届かないんじゃないかと不安になって…。『やばい!学科をやって総合得点を上げなきゃ』と思って、そこから猛勉強しました。特に夏期講習会中が一番頑張ったんですけど、朝5時に起きて2時間勉強してご飯食べて、hamabiに来て、帰って勉強して寝るっていう生活を毎日やっていました。それがのちに自信に繋がりました。自分の自信につなげるためにも学科の勉強はしておくべきだと思います。」

 

新しい環境で出会った、
自分とは全く違う人の存在。

Q. 入試まであと5ヶ月とちょっとです。最後に、ここにいる後輩たちに激励の言葉をお願いします!

大竹
「私にとって受験時代に一番自信に繋がったことは『毎日ここに来て絵を描いていた』っていうことだけです。皆もそれをやると良いと思います。これが私の激励です。」

山本
「自分が受験生の時もこういうアトリエトークが開かれたんですが、その時に来ていた先輩の一人が、『入試の2週間前くらいにピンと来た』って言ってたんですよ。要はギリギリになってもチャンスはあるから諦めずに頑張れってことだったと思うんですけど、でも私はなかなか描けなくて…。12月の後半あたりに先生に『ピンと来ません』って言いに行ったんですよ。そしたら『来るんだよ!』って言われて(笑)   『来ると思って描くんだ!』って。弱気になる時もあるけど、みんなも最後まで自分を信じて頑張ってください!」

則常
「学科の勉強はしておいてください。私はhamabiが始まる夕方の時間まで毎日学校で自習室で勉強をギリギリまでして、それからhamabiにきて絵を描いて、っていう生活を毎日送っていました。『日々の習慣は今のうちから』が大切だと思います。頑張ってください!」

阿部
「今のうちに『自分の得意なこと』をひとつ見つけると良いと思います。例えば、描写力は負けないとか、調子の幅だったら任せろとか、輪郭線は誰よりも丁寧に描くとか。そして、その強みを入試本番でもそれに特化して描ききるっていうことが合格に繋がると思うし、そういう合格者は実際にいるんです。これからデッサン力を伸ばせる時間はどんどん減ってくるので、今から自分の強みを見つけてください。」

市川
「私は全然絵も上手くなかったし勉強もできなかったし、先生に迷惑かけたな~って今も思ってます。しかも第一志望に受からなかったし、あぁぁぁ…(笑)なんて思っちゃたんですけど、でも今現在どうにかなってます。自分のやりたかったことも出来てます。もちろん第一志望に受かるのが一番良いんですけど、もし何かあっても結局何とかなる。だったらもう目標に向かって本気でやるしかないと思います。頑張ってください。」

志賀
「いま多摩美の同じクラスの友人に、描く作品が毎回参考作品になるみたいな上手な子がいるんです。私は入試本番にその子のとなりだったんですよ。本番ももちろんすごい上手くて、これが多摩グラの平均かよ〜!と思って超ビビりながら描いていました。でも自信は失いませんでした。私はずっと手のクロッキーを毎週先生の所へ持って行くのを日課にしてた時があって、正直質は悪かったかもしれないけど、量を出すことで自信に繋げようと思っていました。誰よりも描いているっていうことで。みんなも自分なりのモットーを持って受験に取り組むと良いと思います。」

先輩たちの経験とアドバイスを生かして、私たちもこの先の受験期を乗り越えていきましょう!きっと自信に繋げることができるはず!卒業生の皆さん、貴重なお話をありがとうございました!