基礎科の家庭課題その8_講評編
こんにちは、基礎科の講師の村です。
家庭課題その8の制作が終了しました。
みなさんお疲れさまでした。

今週の出題は、手のデッサン課題でした。
全クラスに共通したモチーフはA4サイズのコピー用紙です。
単純なモチーフですが、果たしてどんな演出の作品が出てくるでしょうか?

講評会にて気になった作品や、優秀な作品、問題を共有しておきたい作品など、
いくつかありましたので、数点ご紹介していきます。
課題の復習として、ぜひ参考にしてみてください。

それでは、早速作品をみていきましょう!

デッサンのポイント解説

手を見せる

この作品は週1ショートのクラスの生徒の作品です。3時間でここまで描けたことが、まず素晴らしいです。要領が良いということでしょう。作者は紙を握ると言うシンプルな加工の仕方を選びました。プランとしては問題ありません。改善できる点があるとしたら、握り方を変えることだと思います。今は手を隠しすぎています。もっと指先で持ち、指の根元を見せる。それができると、この作品の手は構造がわかりやすくなると思います。

単純なことがネタになる

週2クラスの生徒の作品です。紙をそっと丸め、指で抑える。たったそれだけです。たったそれだけですが、実に綺麗な瞬間が描けています。このくらい単純な紙の加工でも、絵のネタにするなら十分です。紙の真新しい感じ、丸めると反発で元に戻ろうとする感じ、A4サイズの長方形であること、紙と紙の隙間の空気、、、、、。色々な要素が詰まっていますよね。何より手が美しいデッサンになったのがいいですね。

紙飛行機を折ること

週2クラスの生徒の作品です。紙飛行機を飛ばそうとする手をうまく描いています。手のポーズが非常に繊細で美しい形をしていますね。さて、今回の提出された作品の中で、もっとも多かったプランは「紙飛行機を飛ばす手」というものでした。これ、おそらく試験会場でも同じようなことが起こると思います。つまり、「プランが被る」と言うことですね。被るからやめましょうと言うことではありません。被りそうだったら誰よりも上手く描くつもりでやることです。試験ではそれくらいの覚悟がいります。

紙の質感を引き出す

紙をちぎる瞬間を描いています。ダイナミックな構図ですが、描かれている行為は繊細で、ビリリという音が聞こえてきそうです。紙はただそのままで見せられても紙を強く感じるわけではありません。積極的に質感を引き出すように仕向けていかないといけません。この作品はそういった演出がうまいですね。どんなモチーフが与えられたとしても、対象の特徴を引き出すよう心がけていきたいものです。

紙で遊ぶ

この作品は週4クラスの作品です。この作品には不思議な魅力があります。静かでおとなしい中に遊び心がある感じがします。紙をよく見てみると、紙を細く切った後に折りたたんだり、編み物のように編み込んだりしています。実は結構複雑なことをしているんですね。このようにプランの中に「遊び心」がある作品は、入試でも高く評価されることがあります。紙で何かしなさいと言われたから仕方なくやっている人と、積極的に紙で遊んだいる人とでは、評価が違うのです。これからもこの姿勢を忘れないでいてほしいと思います。

自分の描きたい絵があること

この作品は週4クラスの作品です。積極的な絵作りがされている印象の強い絵です。この作品は、プランの元になっているものとして、画家エッシャーの版画作品があるように思います。「絵を描く手」という作品がありますが、紙に描かれた手が本物の手のようになり紙から飛び出していく様子が描かれています。この作者には「こんな絵にしたい」という強いイメージがあるように思います。それはとても良いことです。出題から発想していくだけではなく、自分の中の描きたい絵を追求すること。それは今後も大事にしてほしいし、色々なプロの作品を観て、真似していくと良いと思います。