基礎科の家庭課題その7_講評編

こんにちは、基礎科の講師の村です。
家庭課題その7の制作が終了しました。
みなさんお疲れさまでした。

今週の出題は、卓上静物デッサン課題でした。
全クラスに共通したモチーフは牛乳パックです。
いよいよ難しいモチーフですが、
果たしてどんな作品が出てくるのでしょうか?

講評会にて気になった作品や、優秀な作品、問題を共有しておきたい作品など、
いくつかありましたので、数点ご紹介していきます。
課題の復習として、ぜひ参考にしてみてください。

それでは、早速作品をみていきましょう!

デッサンのポイント解説

紙パックの厚み

この作品は週1ショートのクラスの作品です。500mlの牛乳パックを描いてくれました。この作品で良いと思ったのは、ちゃんと紙の厚みまで描いているところです。牛乳パックの紙って、切って解体したりすると感じますが、結構厚手なんですよね。それをくるっと丸めて貼り付けたり、折り畳んだり、折り込んだりして作ったのが牛乳パックなので、その構造をちゃんとイメージして描いているのがとても良いなと思いました。絵に描くときに「何でできてるか」を考えるって、やっぱり大事です。

パッケージデザインを描く

この作品は、週1日クラスの生徒の作品です。この作者は、表面に印刷された文字の表現に積極的です。文字の形、フォントと言いますが、フォントの観察が非常に丁寧です。だから文字がかっこいいですよね。デザイナーによってカッコよくデザインされた文字ですから、それをしっかり描くだけで絵の印象もカッコよくなるものなんです。一方、今後の課題は文字を斜めから見た時のアングルで描くこと。文字がこちらを向いてしまっているので、文字に向きを感じさせるとさらに良くなるでしょう。

色と陰影の調整

週2日クラスの生徒の作品です。この作者は、卵の表現がとても自然で、コンコンと叩くとちゃんと割れそう、卵の音がしそうだと感じさせてくれます。全体の光の設定もシンプルです。左奥からの逆光だということが、モチーフからのびる影と、牛乳パックの陰影でわかります。この作者が苦労したであろうポイントは、パッケージデザインの色の中にも陰影によって暗くする色と、明るくする色、暗くする文字、明るくする文字を作らねばならなかったところでしょう。よく調整して見やすくまとめてくれています。

自分の目からの距離

週2日クラスの生徒の作品です。非常にクオリティの高い作品です。柔らかな光が絵の空気感をとてもナチュラルに見せてくれています。この絵の足元は牛乳パックの接地点、卵の接地点、計3点が距離をとっている様子がわかりますが、一方で、この絵の上半分はどうかというと、少し空間がわかりにくい感じがします。作者の目から一番近くにあったのは手前の卵かもしれませんが、それと同じくらい近かったのは牛乳パックの角ではないでしょうか?その点をもう少し目立たせて描いてやることで、絵の上半分も充実してくると思います。

シンプルな基本形態で考える

週3日クラスの生徒の作品です。電球などの難しいモチーフも織り交ぜて描いています。このモチーフは、牛乳パックは直方体に、ガムテープは円柱に、電球は円錐に置き換えられます。これらのシンプルな基本の形を基本形態と呼びますが、まさにそれを描かせるような課題でした。この作品の牛乳パックはしっかりと垂直に立ち上がる直方体として描けていて、とても安定感がありますね。丸いものに関しては中心軸と円が曲がって見えがちなので、その点を修正するとクオリティーがもっと上がることでしょう。

一本の柱とその周辺

週4日クラスの生徒の作品です。牛乳パックの表面に印刷されたデザインやフォントなどの情報をかなり正確に描いていて、説得力があります。ところで、牛乳パックを一本の柱だと考えると、その周辺に広がっている景色はどんな形の空間で、どんな広さでしょうか?一つ一つのモチーフに個別に仕事をしていくだけではなくて、絵の中心となるものとその周辺、という風に束ねて考えると、風景はいっそう自然になります。このデッサンは、そういった一つの風景としての見た目が自然に思えます。全体感をチェックする目が育ってきていますね。