基礎科の家庭課題その5_講評編

こんにちは、基礎科の講師の村です。
家庭課題その5の制作が終了しました。
みなさんお疲れさまでした。

今週の出題は、卓上静物デッサン課題でした。
「透明なガラス」を必ずモチーフに取り入れてデッサンしましょう、というものです。
さあ、いよいよモチーフも難しくなってきました。

講評会にて気になった作品や、優秀な作品、問題を共有しておきたい作品など、
いくつかありましたので、数点ご紹介していきます。
課題の復習として、ぜひ参考にしてみてください。

それでは、早速作品をみていきましょう!

デッサンのポイント解説

透明感を伝える工夫

グラスとリボンの静物です。この作品の最も良いところはセッティングだと思います。選んだモチーフのセッティングによって、絵は優しくなったり難しくなったりします。この作品はセッティングによってうまくグラスの透明感を表現しているように思います。①リボンを直に見せる②グラスの背後からリボンを見せる③グラスの中のリボンを見せる、の3種類も見せ方があります。これがこのデッサンのわかりやすさを支えています。

構図のスタンダード

グラスとリボンと本の静物です。この作品が見やすいと感じるのは、構図が良いからではないかと思います。四角い画面の中に「くの字」を描くようにモチーフを配していますね。こうすることで、絵の中を満遍なく見渡しながら巡ることができます。上下左右に見ることも、手前から奥に見ることもできます。それが心地よいと感じるのだと思います。これは数ある構図のパターンの中で、最もスタンダードなものの一つです。覚えておきましょう。

透明なものの存在感

同じく、グラスとリボンと本の静物です。全体にすっきりとした空気感が気持ちの良い作品になっています。仕事が実に丁寧です。いいですね。絵のメインになっているのは、透明のグラスです。透明な物をメインにするというのは勇気がいることだと思います。透明だということを言いつつ、しっかりと触れることができて、重みがあって、実在しているように描かなければなりません。作者は、グラス自体の実態感をしっかりと描きこんで表現してくれました。

垂直と水平

グラス・本・トイレットペーパーの静物デッサンです。本の文字のレタリング、表紙絵が丁寧に描かれた作品です。悪い意味での鉛筆っぽさ(鉛筆でざっざっと描いたね、というタッチが見えること)がなく、調子がピタッと定着していて、すっきりとした空間を感じます。一つ課題なのは、垂直が傾いていること。ワイングラスや本の軸となる垂直線が左に傾いてしまっています。水平面はしっかりと水平が感じられるので、垂直さえしっかりと押さえれば、この絵の安定感はさらに増したでしょう。

物の位置を示す

グラスと鍋、布に野菜とキッチンにある4種のモチーフを描いた作品です。この絵のフライパンは金属の重厚さがあって、非常によく描かれています。しかし、よく見てみると、絵の中の奥行きが少しわかりにくい感じがします。その原因の一つとして、物の設置された点が鍋によって隠れてしまったことがあると思います。玉ねぎの足下、グラスの足下が見えにくいですね。こうすると、人は空間を把握しづらくなってしまうのです。でも、少しズラすだけでこの絵は見やすくなりますよ。ひと工夫してみましょう。

構図がよく見えるアングル

グラス・フライパン・布・りんごの静物デッサンです。グラスの透明感が美しい作品です。セッティングにも工夫がみられます。フライパンの中から外へとつなぐように布が配置されているので、モチーフ同士に一体感があります。この作品をもっとよくするには、構図の工夫が必要でしょう。上下の余白、特に下の余白が大きいので、絵の中に生まれる奥行きが浅く感じられます。モチーフが横一線に並んでいるように見えるこのアングルを変えて、手前から奥までの懐が深くなるようなアングルにできると良い構図となるでしょう。

パースの自然さ

グラス・玉ねぎ・鍋・ふきんの静物デッサンです。卓上がすっきりとして広く感じられ、見やすい作品です。金属とガラスの質感の違いをよく描き違えています。ふきんに関しては少々オーバーパース(遠近感をつけ過ぎ)かなと感じるので、適正なパースを選べるとさらに見やすいと思います。遠近感の程度は、一つのモチーフの中で決めるのではなく、モチーフ全体で決めるということを意識してみてください。