基礎科の家庭課題その1_講評編

こんにちは、基礎科の村です。
今回は基礎科で行った自宅課題の講評会をダイジェストでご紹介いたします。

オンラインという形で行った講評会ですが、参考になる作品や、共有しておきたい問題などがあったので、こちらにも記事を作ってみました。これからデッサンを学ぼうとする人にぜひ読んで欲しいと思います。全体には、自宅課題をよくこれだけの多くの人がこなし、提出してくれたなというのが感想で、みなさん非常によく描けていました。課題の制作、ご苦労様でした。

では早速、作品の内容にいきましょう。いくつかピックアップしましたので、ご紹介します。

デッサンのポイント解説

立体感を伝える工夫

「野菜もしくは果物を描きなさい」という出題です。鉛筆のノリが良く、ナスの固有色の表現ができています。もっと色をのせてもいいぐらいです。3B〜5Bくらいの柔らかい鉛筆で描くところも作ってみましょう。改善できるところがあるとすれば大きく2つ。まず1つ目は、ナスの丸さを伝えること。ヘタの部分やお尻の部分をみてみると、ナスを真正面(真横)から見ているように感じますが、それだと平面的に見えてしまいがちです。もっとナスを斜めのアングルにしてみるなどして、ナスの向きで立体感を伝えましょう。2つ目は接地点。ナスが地面に接している部分の影をもっと暗くしてみると良いです。今は、見方によっては「ちょっと浮いてる?」という風にも見えてしまいます。しっかり地面に着地していることを示しましょう。

円柱の上面と底面は変えて表現する

「モチーフ(ハンカチ・野菜か果物・マグカップ)を卓上に配置し描きなさい」という出題です。質感の描き分けができている、しっかりと描き切っていて完成度がある、という点でとても良い作品です。固有色の表現も良く、りんごの色を伝えてくれています。赤という色は、明るいように見えてモノクロに直すと意外と暗い黒になります。このデッサンはそういった色の表現がはっきりしていますね。一方、改善点はマグカップにあるように思います。マグカップは円柱です。このデッサンは円柱の上面の円と、底面の円を比べた時に、上面の方が多くみえてしまっていますが、実際は逆です。自分の視点からの見下ろし加減が大きいのは底面なので、底面の楕円にもっと丸みを持たせると良いでしょう。

円柱の楕円の丸み


絵全体に大きな動きが出るように、布の折り方やモチーフの配置にうまく工夫がされた作品です。画面の四角が十分に生かされていて、絵としての完成度が高いと感じます。しかし、一つ一つの物をみていくと改善点がまだいくつかありそうです。まず、マグカップの飲み口の楕円の尖りが気になります。縁がレモン型になって見えていますが、本来は滑らかな丸みがある円で、それを傾けただけなので角が出ることはないんですね。人参のヘタや、布の切れ端、マグカップの文字など、詳細な情報をまで描ける人なので、気がつけばきっと改善できるはずです。レッツ・トライ!

手の綺麗なバランスを追求する


「任意の球体を持つ手を描きなさい」という出題です。作者は球体を卵という設定にし描いたようです。大きく画面に入った手のインパクトが強く、印象的な作品です。第一印象は元気いっぱいで伸び伸びしていて良いと思います。一点、気になるのは手の比率に関してです。画面下端で切れてしまった手の甲、その続きを想像した時に少し小さいのです。対して指は太く長く立派に描いているので、手全体の比率がアンバランスになってしまっているわけです。一人の人の手の中で、比率がどのようになっていると綺麗なのかを研究してみる必要がありそうです。

観察時の視点を固定する大事さ


「触れ合う両手を描きなさい」という出題です。作者は開いた手と閉じた手、という対照的な形の手を描きました。人差し指を握る手の部分など、接している点を描いたり、影を落としたりと積極的です。一つこの作品の中で、改善できることがあるとすれば、観察時の視点を一点に定めることです。右にある開いた手をみてみると親指と人差し指は真正面からみているように思いますが、対して中指〜小指は上から見下ろして描いてることがわかります。指ごとに視点が違ってしまっているのです。そこを改善することで指の伸びていく方向が、手の中心に向かって伸びていくように見え、構造がしっかりとするでしょう。