「紙袋を持つ手」のデッサン:制作プロセス

こんにちは。
基礎科講師の村です。

デッサンの制作プロセスをご紹介しようと思います。今回は、週4日で通ってくれているデザイン工芸基礎コース、絵画基礎コースの高2生と一緒に描いてみました。みんな夏期講習で鍛えられてきた上級者です。僕も負けてられないぞという気持ちでのぞみました。

どんな構図にするか、構成にするかを探る
(画像が悪くてすいません…^^;)頭の中に大体のイメージはできているものの、実際の画面サイズに描いてみたらどうなるか、まだわからない部分も。まずはちょっと雑ではありますが、モジャモジャとした線で、大まかなレイアウトを描きつけてみます。僕の中では「探りの段階」と思っています。

ボリューム感をつけていく
今回の構成は非常に正面性が強いので、やもすると平面的になってしまうなという危機感がありました。ですので、上からのトップライトを設定し、なるべく多面的に見えるようにしようという作戦です。上面は明るく、側面は暗い。まずはその明暗設定を基本に組み立てていきます。

擦る&きめ細かく描く
正面の面が多く、奥行きを示してくれるような側面が少ないのが難点の作品。なので、なるべく奥行き方向の面は擦ります。裏側への回り込みを表現したい側面部分にも擦りを入れます。ちょっとモヤっとしますが、このトーンをベースにさらに上から描いていけば曇りも取れるでしょう。そのための下地を作っている段階です。雑な部分はきめ細かくタッチを入れて、紙のパリパリした質感や、手の柔らかな肌質を表現していきます。

完成
果たしてこれを完成といっていいのだろうか。でもとりあえずここでタイムアップでした。無念。手首などはもっと描いておきたいですね。紙袋の上面(袋の底面)にはマチが見えていて、紙が畳まれて、折り重なって、蓋がしてあります。その構造を描きます。手には、たくさんのシワが入ります。この動きをしているからこそ入るシワを描写し、柔らかさを伝えます。

今回のプロセス紹介は以上です。でも、悔しいのでまた描きます!(笑)みんな本当に夏期講習で伸びました。夏の成果がこれから出るという人もいるでしょう。高3生になるまでに少しでもステップアップできるよう、サポートしていこうと思います。