横浜美術学院監修 美術用語辞典

横浜美術学院が独自に編集した美術用語辞典です。美術に関わっていく人に最低限知っておいてもらいたい用語を中心に編集しました。何かの機会に耳にした言葉の意味が分からないときに、活用して下さい。なお、人名に関しては全て削除しました。知らない画家の名前などに出くわした時は、必ず自分で画集を探して確認して下さい。

ら〜わ

ラファエル前派

1848年にイギリスの画家ロセッティーやミレーなどが起こした芸術運動。ルネッサンス以来続いていたアカデミックで慣習的な表現に反発して、当時のイギリス絵画の保守性と停滞に異議を唱え、ルネッサンス盛期のラファエロ以前の画家を理想として、自然に忠実な観察、輝かしい色彩の使用などを提唱した。日本では青木繁などにその強い影響が伺える。

リトグラフ

石版画。平版。石または金属の板に油性の描画材で絵を描き、弱酸性溶液を塗ると、化学変化を起こして描かれた部分は油性物質を引きつけ、描かれていない部分は水分が残される。この版を水で湿らせて油性インクを乗せると、描いた部分にのみインクが付着し、描かれていない部分は水分によってインクが弾かれて残らない。これを刷るという技法である。/p>

リファイン

hamabiのデザインコースで使われる用語。洗練するとか上品にするとかいう意味だが、refinement on〜(〜に改良を加える)の意味で使われている。一度制作した色彩構成などに再度手を加えて改良して完成させること。より完成度の高いレベルを自ら体験するということでは、効果的なカリキュラムの進め方である。

立体構成

美大受験予備校でしか使われない用語。ケント紙水粘土を用いて、三次元でコンポジションに注意を払いながら立体造形物を制作する。デザイン科と工芸科の入学試験に出題される課題で、具体物を観察して作る場合と、言葉で出題されたものからイメージを引き出して作る場合がある。

リンシードオイル

油彩画の溶剤。ポピーオイル同様に乾性油で、亜麻の実から抽出して精製したオイルである。性質はポピーオイルと似ているが、使用後長時間経過するとやや黄変する性質がある。

ルネッサンス

フランス語。直訳すれば(再生)の意。より原語に近い言いかたではルネサンス。14-15世紀にイタリアを中心に大きな文化運動が起こり、それが古代ギリシャ・ローマの文献の再発見による学問や知識の復興であり、またヨーロッパにおける文化の再生でもあると考えられている。中世から近代への大きな流れの転換点として位置づけることはできるが、歴史家の中では、中世の一部と見るのか、近代のはじめと見るのかということについての結論は出ていない。西洋文明が、自分たちの文化的価値観のルーツとして、キリスト教成立以前の学問や知識を再発見した出来事と見ていいだろう。

ロマネスク様式

中世ヨーロッパの建築様式のひとつ。がっしりとした壁の強度で木製の天井を支える仕組みだったため、窓が小さくしか取れなかった。逆に建築内部の壁面の面積が大きく、そこに数多くの絵がフレスコ画によって描かれた。

レリーフ

浮き彫りのこと。木や石などの平らな面を彫って高低差を付け、表現したもの。洋の東西を問わず古くからある技法だが、主として建築物の一部のドアや壁などの装飾として発達した。彫刻だが、光の干渉の仕方によっては、非常に絵画的な見え方をする。

ワークショップ

本来は、所定の課題について事前研究の成果を持ち寄り討議する研修会を意味した。美術の世界では、制作教育の意味で使われている。特に短期集中型の制作教育を指す場合が多く、1990年代から各地の美術館で、鑑賞教育一辺倒の枠から脱出して、地域とコミュニケーションを図る目的で盛んに行われるようになった。

ワニス

顔料を含まない、透明な塗膜を作る塗料の総称。天然または化学合成した樹脂や乾性油などを過熱して溶かし、さらに溶剤や乾燥剤を加えた油ワニス、天然樹脂をエチルアルコールに溶かしたアルコールワニスなどがある。